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2008年1月10日 (木)

わからない・・・

昨年は、安倍内閣から福田内閣へと変わる中でさらなる政権内外での不都合が明るみに出て、日本が民主国家として機能していないことをつくづく感じさせられた年だった。
「美しい星50」などというコトバが作られたものの、残念ながら「環境」はお飾りとして使われたに過ぎないように思える。
クジラについても不穏でおかしな年だった。
まず、2月の「正常化会合」から始まった。参加国36カ国と民間20団体、情報開示による政府の会議費支出は76万円。2006年のセントキッツ宣言を受けて、形ばかりやってみたものの、だからどうなの?という結末。
会議の最終日に、日新丸火災の情報。事故は会議では明らかにされなかったが、後にたいへん残念ながら事故により犠牲者が出たことも判明した。1999年に次ぐ電気系統の火災と聞いたが、3ヶ月後には北西太平洋にもでかけていったのは驚いた。
この調査で、火災とは関係ないが、また一人乗組員が不慮の事故でお亡くなりになった。

アラスカ会議ではまた立場の逆転が起こり、日本はとうとう会議席上で脱退をほのめかした。確か、日本代表の森本稔氏はIWC副議長だったはず。副議長は次の議長だという話だから、自分が責任の一端を担う会議で、せめて責任をとって副議長の座を辞すならばわかるが、日本代表団の中にすわって日本に同調するだけ。しかも、彼は会議後に、再度天下りを果たして日本鯨類研究所の所長になった。議長はどうする?

日本政府は、昨年末の12月21日になって、とうとうJARPA IIでのザトウクジラ50頭捕獲を今回は見合わせることにした。もともと、ザトウクジラは業界にとってそれほど魅力のある商品ではないから、何らかの取引に使うつもりではないのか?と思っていたが、その先は不透明。この先どうするつもりだろうか?

当日は調査捕鯨に関して、調査捕鯨再考をという意見を携えて、31カ国大使が外務省を訪問したが、それについてメディアの注目はなし、国内の関心はなし。

特に人気の高いザトウクジラ捕獲をめぐって、オーストラリア国内で反捕鯨の勢いがヒートアップして、とうとうオーストラリア新政権が調査捕鯨を監視する船を出すことにした。
で、オーストラリアの反応を指して「白豪主義だ」と非難するビデオを作成した人がいて、ディンゴやカンガルーの虐殺場面を流して(見た)視聴者のクソ投げ合戦(失礼)が始まっているらしい(見ていない)。
動物福祉の観点から映像のような殺し方には嫌悪を覚えるが、だからといって映像を作った人がいうような差別問題というよりは「自分たちだって悪いことしてるのに、おいらだけが悪いと言うのは差別だ」というような不毛な子供じみた喧嘩を売っているだけに見えてしまった。差別的で乱暴な人はきっとオーストラリアにも日本にもいるだろう。しかし、そのことを批判することと、日本がはるか地球を縦断して、遠い公海まで出張って行って捕鯨をするのが正当化されるかどうかという議論とはテーブルが違うのではないだろうか。

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