解決といえない
12月21日、日本政府は南極海で予定していたザトウクジラの捕殺を「一時的に」取りやめたと発表した。
珍しく、国内メディアをそれなりに大きく伝えた。今年のIWCでうまく取引材料にできず、宙ぶらりんになっていたザトウクジラの扱いにやっと決着がついた。殺さないという発表はもちろん歓迎すべきでことではある。しかし・・・
ザトウクジラの市場的価値はもともと高くないわけだから、面子以外に(それときっと、殺して集めたデータを収集している方たち以外に)それほど大きな痛手ではなく、形としては譲歩したことになり、ほかの調査対象についても一時的には風当たりは和らぐと思われる。自らさっさとやればいいのにやらず、アメリカが仲介しているところで、なんらかの取引の存在を疑っているのは私たちばかりではなかろう。
もともと、モラトリアム時にアメリカは沿岸での捕鯨をやってもいいのでは?という立場であったわけで、彼らの立場上も大きな方針転換でもないはずだ。
日本としては、沿岸の漁業者にいい顔ができると同時に、なんとしても続けたい調査捕鯨もできる状態が望ましいのだ。
ザトウクジラを当面殺さないという発表は歓迎するものの、その先をどうするかというもともとの問題の解決が見えてこないことは大きな問題だ。当日は、日本の調査捕鯨に反対する30カ国の代表団が外務省を訪れ、殺さない調査を要請したと聞く。毎年、あれこれ総額で10億円もの税金を投入する調査が本当に私たちのためなのか、真剣に考えるべきときだと思う。
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