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2006年12月26日 (火)

カマイルカ・アンラッキー

この日記にも掲載したと思うが、このほど、イルカ捕獲枠の見直しで、カマイルカに捕獲枠が付けられることになった。

10月31日から約1ヶ月行われたパブリックコメントの結果は以下のようなものである。

http://www.maff.go.jp/www/public/cont/20061219kekka_1b.pdf

ここに記された意見内容と、私たちの出した意見と見比べてほしい。回答は、意見への答えにまったくなっておらず、答えるのに都合のいいものだけをピックアップしてそれに答えているように思える。私が知っている限りの知り合いの意見への答えにもまったくなっていない。前回、座礁に関しての意見を送ったときには、内容をもっと丁寧に載せていたと思うのだが、今回は「意見を聞いて参考にする」ことが不都合だったからとしか思えない。

パブリックコメントを募集するようになったのは、最初に答えがあって、そのアリバイ作りに利用するためのものではないと担当者は認識するべきであろう。

どこかの出版社がイルカのラッキーとか言う絵本を作ったが、あのイルカは「たまたま」魚網に引っかかった不運なカマイルカをある水族館が「保護」し、それを貸し出して芸をさせているものである。本来であれば「保護」したものはリハビリを施し、海に戻すのが当然の行為であろう。こうした不都合なことをなくす行政のやり方が捕獲枠の新設で、不当行為の後付とでも言っていいような見直しであり、答えに書かれた「食べる文化」とはそもそも関係ないものであることを強調しておきたい。

2006年12月20日 (水)

クジラが私たちのお魚をたべちゃう?

 もうだいぶ前になるが、動物医薬品会社の獣医さん向けのPR誌を編集していたときのこと、ある出版社から犬の飼い方入門書が送られてきた。著者は、某一流大学の農学部教授だったが、内容はありきたりのもので、特に紹介したいと思うような点はなかった。その中で、唯一記憶に残っていることがある。犬の行動を説明している中で、戸外での排泄の際に、肢で引っかいて排泄物を隠すという記述があったからである。少しでも犬を知っている人ならば、あの行為が隠すためではなく、逆に自分の存在を目立たせるためのものだということははっきりとわかるはずである。犬は足の裏の汗腺から出される分泌物で、引っかくと同時ににおい付けをしているのだ。著者も著者なら、出版社もいい加減なもんだと思ったのを覚えている。その教授はその後も犬の本を出されているようので、もしかしたらそのことについては訂正しているのかもしれないが。

 昨日、ある人から日曜に行われた小笠原の希少種を守るというシンポジウムで、その教授が総括講演を行い、そこでクジラが増えてイワシを食べつくしてしまうというような話をしたのを聞いたと教えられた。総括だということは、その教授はクジラが島嶼部におけるネコやマングースと同じような害獣と認識しているのだろうか?

 イワシについては、水揚げが減少して問題になっているのはマイワシだと思うが、水産庁のHPに「マイワシの謎」というタイトルでその生息数の変化について書いたものがある。

http://abchan.job.affrc.go.jp/pr/Maiwashi0302/Index-sar.htm

ここでは、決してクジラが原因だなどといってはいない。

クジラ害獣説に関しては、すでに2001年の下関IWC会議のときに、日本の科学委員会の委員である研究者が自分のHP上で批判しているし、どこでも評判がひどく悪いため、日本代表もIWCではすでにそのことを口にしない。もっぱら生態系管理とか多種間管理とかいっているのである。今回、セントキッツでは、サンマ漁の横で大口を開けているミンクの映像を流して更なる顰蹙を買っていたが、サンマは最近でも取れすぎる場合があって値下がりが激しいのは食卓を預かっている人ならご存知のとおり。

しかし、こうした自然保護系のシンポジウムでまことしやかに話されると、頭から信じてしまう純真な人たちが出てくるかもしれない。現にIKAに来るメールの中には水産系の学生さんなどから、「クジラを間引かないと漁業に支障をきたす」というような意見が寄せられている。日本の環境教育・自然教育の貧困さがこんなところに如実に現れているのだろう。

ちなみに、IKANでも、クジラと魚の競合についてはHPアップしてある。

http://homepage1.nifty.com/IKAN/news/kstnwkn2006jul03.pdf

ほかに、もう少し専門的なところでは、昨年コスモス平和賞を受賞されたカナダの

水産学者、ダニエル・ポーリー博士の『Food for thought』がある。

http://www.hsus.org/web-files/PDF/FoodForThought_v2.pdf

2006年12月19日 (火)

癒し???

このところ、イルカを使ったセラピーってどうなの?というような質問が立て続けにきている。以前にも書いたと思うが、イルカの側に立ってみれば、改めて答えるまでもないことだ。この生きにくい世の中で、癒されたいという気持ちはよくわかるし、また、お子さんの状態を改善したいという親心が理解できないわけではない。しかし、それに走る前にちょっとだけ立ち止まって考えてほしい。ほんとうにイルカを使うこと以外に道はないのか?親や仲間を殺され、自分自身も死ぬ思いをした末に、いつか解放されるという希望もなく、一生を狭い不自由な施設に閉じ込められているイルカを利用して心が痛まないのか、と。

昨日(18日)の朝日に面白い記事がでていた。ハワイで、野生イルカと泳ぐウォッチングツアーでイルカへの接近を規制する動きがでているという記事だ。ハワイ諸島近海に生息する小型のハシナガイルカはサメなど外敵の心配のない浅瀬で子育てをしているが、そこにツアー客が押しかけて、安眠が妨害されたり、子育てに支障が出ているというのだ。現在ガイドラインが作られているがそれを守らない業者もいて、生息数が半減したという指摘まで出てきたため、アメリカ海洋大気局が規制を検討しているという。

群れごとひっとらえて、親や兄弟を殺し、その挙句に「いやされたーい」という人の面倒まで見なければならない日本のイルカたちとは程度の差があると思うが、ウォッチングもやり方次第では人間の勝手という点で変わらなくなる。やはり自然のものは自然に、という態度を貫きたいものですね。

2006年12月14日 (木)

IKA Net News No.36 できました!

IKA Net News No36 ができました。

目次は:カマイルカが捕獲対象に!/「ひとりぼっちのイルカを発見してしまいました-動愛法とイルカ飼育/肉を捨ててきた?日本の調査捕鯨JARPA IIの怪しい出だし/セントキッツ報告 2/特別寄稿『イルカの涙』石井泉さんなどです。

この11月10日に水産政策審議会で報告されたカマイルカの捕獲枠新設になぜ私たちが反対なのか、意見書を含めて掲載しています。また、「ひとりぼっちのイルカ」では、ダイビングサービスで飼育されているイルカのことから、この6月に新設された動物飼育業者の登録制に、イルカ施設のあるいくつかの県ではどのような対応をしているかをウォッチしています。「肉を捨ててきた?」は佐久間淳子さんの報告で、調査捕鯨の副産物はすべてを利用するとしている捕鯨推進の人たちの言い分が果たしてほんとうかどうか、大いなる疑問を呈しています。少し遅くなりましたが、セントキッツ報告の後半では、日本の調査捕鯨に対してどのような反論があったかなど、会議の模様を報告しました。石井泉さんのエッセイは、いよいよ、内側から見た96年の違反操業の実際です。ニュースは、年間購読料2700円でお送りしています。

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