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2006年11月27日 (月)

カマイルカ捕獲枠追加へのパブコメ

やっと、カマイルカ捕獲反対の意見書を送付しました。パブコメが形ばかりではないことを念じつつ・・・・・・・

【意見】
 「省令第82条第1項ただし書きの規定に基づき農林水産大臣が別に定めて告示する歯鯨について」
の一部改正(カマイルカを捕獲対象種に追加)に強く反対します。
【意見の概要】
・ パブリックコメントを求める際の判断になるデータ(日本の希少な野生水生生物に関する基礎資料VI V,水生哺乳類13.1997年刊)において、同種の日本海側を中心とした個体と太平洋側の個体では成長停止時の体長が異なるので、異なる系統群に属すると考えられると記述されている。また、同種の生物学的情報は少ないとされるなかで、日本海側は普通と評価されているが、イルカ捕獲(追込み猟)が許可されている太平洋側は評価ができないと書かれている。
ほかの判断材料としては、毎年、水産庁が公表している日本の小型鯨類の調査・研究の進捗報告書があるが、その報告の中においても、今回の根拠となっている「持続可能な利用を行うのに十分な資源量がある」ということは確認できない。
・ 強い要望を出しているとされる漁業者についての情報が明記されておらず、誰が、特にどのような理由で新たな枠の追加が必要としているのかまったく不明である。人類の共有財産とも言うべき野生生物を一部の利益のため利用を許可する以上、市民にとって誰がどのように利用したいとしているのかを知ることは判断する上で必須である。

【意見の背景と理由】
 1982年に採択され、1994年に発効した国連海洋法条約では海洋資源を「人類の共有財産」と位置づけ、特に海生哺乳類については、保存のために協力するものとし、特に鯨類については「その保存、管理及び研究のために適切案国際機関を通じて活動すること」としている。イルカ漁業が江戸期から営まれてきた産業であるとしても、こうした国際的な認識の変化に対応する中で、これまでのように産業の維持だけに努力を傾けるだけでなく、保存にも留意すべきである。そのためにはまず調査を行い、きちんとした評価をまって結果を公表し、あらためて意見を聞いたうえで見直しを行うべきである。今回、見直しに当たって科学的な根拠を持って持続的利用を図るとしているが、そうであるならば、実際に科学的な根拠を持った見直しであるかどうか、評価できる内容の情報を公開すべきであろう。沿岸のイルカ調査はこれまで十分とは言えず、まだ評価できていない種も少なくない。今回の枠の追加はそうした当然の手続きを無視しており、到底納得のできるものではない。
・カマイルカは、1993年に捕獲枠を付けられなかったものの、毎年少数の生け捕りとそれ以上とも思われる混獲により、水族館への供給が行われてきた。(財)日本動物園水族館協会の年鑑によると、同協会に登録している施設だけでも2005年現在で18館83頭もの飼育が行われている。魚網に絡まったものを「保護」すると称してショーなどの見世物に使用しているともたびたび耳にする。今回の枠の追加は、こうした不透明な捕獲・飼養の追認である。さらには、もし捕獲枠によって水族館への供給が行われるようになっても、実施できる地域が限られているため、これまでのような紛らわしい「保護」がなくなるとは限らない。
・昨今、歯クジラの体内における有害物質(重金属及び有機化学物質)汚染が懸念されている。研究者の中には「食物として不適切」と言う意見もあり、厚労省でもお知らせによって警告をしているところである。特に、沿岸のイルカ類の内臓における重金属の蓄積は激しく、水銀では国内魚介類の暫定基準値の数千倍にも上るものまで発見された。特に捕獲地における内臓を食する習慣から一部の人たちが多食している可能性があり、当事者たちの健康被害につながる恐れがあるものである。
イルカ肉の需要の限定性、高い汚染値を考えると、イルカ猟そのものは縮小し、産業にかかわる人たちへの支援を別途考えることが今後の選択肢として重要であろう。

【パブリックコメントの募集の仕方について】
 パブリックコメントが募集されていることをもっと一般が認知しやすい方法の開発と時間的な余裕をお願いしたい。今回のような募集の仕方では、意見を言いたい人であっても募集そのものを知ることが難しく、パブリックコメントの募集が形だけのものになる恐れが多分にある。
特に、今回のように経済水域にとどまらずに広く移動をしている海生哺乳類については、「人類共有
の財産」であるという条約の精神から、広く国内外からも意見を求めることが望ましいと思われる。

以上、真摯にご検討いただきたい。

               イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク 倉澤七生

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