イルカの新捕獲枠

今年度のイルカ捕獲枠、8月1日に公表されました。

https://www.jfa.maff.go.jp/j/whale/attach/pdf/index-51.pdf

コビレゴンドウの追い込みの捕獲数が134頭から101頭、オキゴンドウが70頭から49頭と、微妙に減らしたようです。あとは変わりなしで、突きん棒と追い込み合わせて10907頭。

 

2020年5月25日 (月)

沿岸の生物多様性とクジラ

5月22日は、生物多様性の日。今年は本来ならば、愛知目標の検証年だし、国連生物多様性十年の最後の年だ。十年前のCOP10では、主に東京と愛知のNGOがネットワークを組織し、会議に臨んだ。IKANは海の部会を立ち上げ、事務局のリー博士をお呼びしてシンポジウムを開催したり、日本で消費されている代表的な魚たちの現状を知らせる「お魚ガイドブック」を作って市民に訴えかけたり、また、主宰する政府を盛り立てる下働きに励んだのを懐かしく思い出す。

あれから海の保全は進んだか?と言うととても心許ない。確かに海洋生物のレッドリストはできたし、また、日本の重要海域の選定も行われた。しかし、その内実はとてもお寒いどころではないと私は思っている。海洋環境と海洋の生き物たちが私たちの、そして私たちの将来世代にとってかけがえのない、たやすく失ってしまっていいものではないと言う認識の共有が残念ながらできていない。

クジラについていえば、2018年に日本がIWCを脱退し、2019年に商業捕鯨が再開されて以降、話題となるのはどこでどの大きさの鯨が取れたか、いくらで販売されたか、と言うものばかり、産業の継続が危ぶまれる中、クジラ種や海域の拡大を求める捕鯨工船の関係者と小型業者はすでに調査捕鯨でも捕獲が難しくなっていた鮎川周辺から八戸、そして室蘭と、捕獲しやすい海域の開拓を求めているようだ。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202005/CK2020052502000131.html?fbclid=IwAR14ThXXR0aZFuOKtjVivTZma2opYkY2W758iTSRer6tFa3QC-1rCm4mOIM

コロナウィルス下ではあるが、洋上ではそれほど問題ではないようで、小型もそのまま操業を継続しているし、近々捕鯨工船も鯨を求めて出かけると言う噂も聞いた。

最近、たまたま行政の方と話す機会があり、商業捕鯨の再開に際し、これまで国際世論任せであったクジラの保全はこれからは国内でどう見ていくか、私たちの責任という話になります、と訴えた。しかし、クジラの話はどこでもちょっとばかり重たい話になってしまうので、任期中に尻込みしないで立ち向かうと言う酔狂な人はなかなかいないと言う諦めもある。

生物多様性の日に、珍しくも環境大臣が国際社会にメッセージを寄せている。

https://www.youtube.com/watch?v=iuq3wZZAG4w&feature=youtu.be&fbclid=IwAR2W1-p_HTiCLkoa02rZ2TfW5E1S2K0RPGFjnMM1juXIH3OyjkYN3rzSZV0

’毎日ステーキ’の方がよく言ったと思うが、それだけに、このコロナの状況下でーそれ以前の環境行政の脆弱さと世論形成の弱さを思えばー多分、鎮まれば即経済の側からの激しい巻き返しが想定され、なんとか踏みとどまれるところがあれば、と祈るような気持ちだ。

2020年2月27日 (木)

海の生物の混獲について

知り合いの記者の方から、EUの環境・漁業担当相によるイルカ類を含む海の生物の混獲を回避するため、声明が出たことを教えていただいた。

https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/STATEMENT_20_328?fbclid=IwAR1vqliA41qlgAZm9hwygI5dP1g1rTr0v5ZPI-xf9K4rGL84yjx0GPBHCEc

意図的な捕獲ではない、漁網などによる混獲によって死亡するたくさんの生物についての懸念は今に始まったことではなくて、
IWCにおいても、繰り返し混獲問題は保全委員会の活動をはじめ議題に上がっており、精力的なワークショップも開催されてきた。

確か2004年にイタリアのソレントで開催された IWCの際、ヨーロッパを中心としたグリーンピースの人たちが、ネズミイルカの死骸を会場近くに持ち込み、物議を醸したことが記憶にある。EUをあげて対処しようという試みが始まったのは、今更という向きもあるかもしれないが、ないよりも10倍もいい。

翻って日本はどうか。日本の沿岸はいわゆる定置網で埋め尽くされているといっても過言ではない。特定の魚種を狙うのではなく、網に入る様々な魚を漁獲する網には、魚だけではなくイルカやクジラも多く入っている。

この日本沿岸の混獲に関する情報は、水産庁が、ヒゲクジラのみ公表している。例えば、2018年度では、ミンククジラ86頭、ザトウクジラ3頭、セミクジラ1頭が混獲され、3頭を除き、鯨肉として販売あるいは地元に配布されていることがわかる。都道府県での混獲はわかるものの、実際いつ、どこでどのクジラが混獲されかが分からない。

https://www.jfa.maff.go.jp/j/whale/w_document/index.html

一方でかつて日本鯨類研究所でストランディングレコードを更新してきた石川創氏が下関の鯨類研究室に移られてからは、昔のものも含め上がってくる情報について、年月日、場所、個体の詳細情報とその後の処理など丹念な報告を毎年更新されてきている。

http://whalelab.org/record2017.htm

残念ながら、石川氏は今年定年だということで、ストランディングデータは彼の退職とともになくなってしまう可能性が強く残念なことである。

定置網という漁法は、入ってきた魚は漁業者のものだ。クジラに関しては、定置網などへの損害を穴埋めするという名目で、DNAの登録をすれば販売が可能になった。地域によっては、かなり定期的な売り上げ品目になっているところもあるかもしれない。

鯨類混獲については、日本はまた別の法規が使われているため、混獲回避措置は当分考えられそうもない。

 

2020年2月11日 (火)

イワシクジラ /CITESに関する溝(2)


<参考*12月2日IKAN返信>
    今回につきましては、私どもと、高屋さまの立場が隔たっていることから、解釈も異なっているのだと思います。
    また、そのことが「誤誘導」であるという風には考えることはできませんでした。もし異なる意見を反映させるとすれば
   「水産庁さんのご意見は以下でしたが、」という断り書きを入れたものを再送するのも1つの解決法とは思いますが、何分にも、
   弱小NGO の分際、再度の送料負担は難しい状態ではあることをご理解ください。
ただ、苦情をそちらに送られたお店をお教え
   いただければ、そのお店にはご心配をおかけしたお詫びとともにこちらの立場のご説明をお送りしようと思いますので
   お手数ですが、お教えくださいませ。 
  貴庁hpには、イワシクジラの流通に関して
   「同勧告は、本年度のものも含めすでに国内に存在しているイワシクジラ製品の流通や消費については触れておらず、

    日本政府としても、これらを規制するものではございません」
    とありますが、これは2018年会議の前年のものの解釈であると私どもは考えておりました。
ですから今だに多くのイワシクジラ肉の在庫があるところから、没収・焼却処分という措置を取られ
ないのであれば、責任ある政府としては、決議の留意としてせめて「在庫確認」を当然されると
考えておりました。

  それを間違いというのであれば、上記のお知らせを見る限り、まったく、今回決議に留意している
 とは私どもには考えられないのです。
また、お示しいただいたB案では、具体的にどのような対応措置
が今回求められているか分かりづらいのではないか、と思いました。
さらには、そのような見解に差し替え
 ることで、どのように調査結果が変わるかも理解できませんでした。
    以上の理由から、大変申し訳ないのですが、今回いただいたご提案に沿うことはできないことを

   ご了承いただきたいと思います。」



<水産庁からのメー>

12月5

  「貴殿の基本的な認識の誤りとして、日本政府がイワシ鯨製品の「没収・焼却処分という措置」を求められたと

   勘違いしていることがあげられます。日本政府が求められているのは持ち込まれたイワシクジラ製品の取扱い

  (treatment)を事務局に報告することであり、「没収・焼却処分という措置」は全く求められていません。

   貴殿は個人的にそのような措置を期待されているのかも知れませんが、「在庫確認」も含め、そのような措置は

   一切求められていません。

         CITES常設委員会における本件についての議論はネットで中継されており、貴殿はもちろんご覧になっていることと思います。
 
        また、水産庁や 外務省のプレスリリースにおいても、日本政府がイワシクジラ製品の取扱いに関する報告を求められたことが
 
        掲載されております。
        したがって、アンケートをする場合でも、事実に基づく説明を付すべきであり、事実と異なる個人的な解釈(期待)で流通業者

        を惑わすのは責任あるNGOの活動とは言えないでしょう。」

という返事が来た。もちろん、在庫の実態という言葉は使われてはいないが、業者に対して誤誘導になるとか、懸念を感じさせるという危惧は、結局会議の内容を業者が把握していないからではないのか、と思われた。

<参考:IKAN返信>

     「お返事が遅くなってすみません。もう一度、会議の議事録を見直し、よくよく考えていました。結果としては、申し訳ないですが立場は
  
       変わりません。
     まず2018年の委員会では、日本が公海から持ち込むことに関してCITES違反かどうかが議論され、違反であるという判断が下されました。
     今年、2019年の常設委員会では違反と判断された肉の流通に関して、問題があるかどうかという議論が行われ、会議の方向としては
 
    流通自体
問題があり、廃棄すべきではないか、という意見も大きかったことが読み取れます。その上で、日本政府が現在流通している

   鯨肉をどのように管理できるかということですから、実際の在庫を確認し、報告するということは手続き上
  当たり前のことではないかと
 
   考えます。
また、今年の会議の結果ついて、取扱業者の方々と議論内容を共有されているのであれば、こちらのハガキの文面での
 
   「誤誘導」という言葉は
当たりませんし、今更、業者の方が懸念を感じられることはないはずだと思います。」

 

しかし、よしんば「既に調査捕獲したイワシクジラ肉は存在しない」と報告するとしても、それは在庫の状況そのものではないのか。会議の内容と結論についてはお互いに異なる見解があるということだ。

じゃあ、何を報告するのだろうか。

 

<水産庁からのメール>


12月20日
  「
まず、同会議において、ワシントン条約事務局から、次の説明が行われています。

   ・「条約上,常設委員会の決定が遡及するとの規定はない」

  つまり、倉澤様が読み取られた「会議の方向としては流通自体問題があり、廃棄すべきではないか」という意見は、否定されています。

  今年の締約国会議における最終的な結論は、「日本に対し,来年開催される常設委員会(時期未定)

  の90日前までに,昨年10月の常設委員会の決定の前に国内に持ち込まれたイワシクジラの標本(鯨肉等)の取扱いについての報告を求め

   る」とする常設委員会議長から提示された決定案が採択されたことです

   決定事項は以上のとおりであり、「廃棄や在庫確認の報告」は求められていません。

   こうした議論や決定を無視して、ご自身の意見である「廃棄や在庫確認の報告」
決定された旨を主張されることは如何かと思います。」

 

こちらとしては、立場が違うとしか言いようがないのだが。

では、往復ハガキでのアンケートがどのようなものであったかをご覧いただこう。



**********************

「イワシクジラ肉製品の取り扱いについてのアンケート」

先般の台風 19 号は各地に思いもかけない大きな被害をもたらしましたが、皆様におかれましてはいかがで
したか?
早速ですが、貴店が取り扱われるイワシクジラ肉/脂身について、皆様のご意見を伺いたく、アンケートを
実施いたします。
ご存知のように、日本鯨類研究所が 2002 年から2018 年まで実施してきた北西太平洋における調査
捕鯨において、捕獲したイワシクジラを持ち込む行為がワシントン条約の違反に当たると条約会議で判断
されました。

また、先頃(2019 年 8 月)に行われた条約の常設会議において、この流通している肉及び加工品も条約
違反であることから没収を求める声が相次ぎ、日本政府は 2020 年の委員会までにその在庫の実態を把握
するよう要請を受けております。

私どもは、皆様がこの問題に対してどのような取り組みをされているか、また今後今後の扱いについて、
ご意見を伺いたいと考えております。

突然のお願いではありますが、よろしく返信ハガキにお書きいただき、お送りくださいますようお願い
します。

<質問>
質問1 イワシクジラ製品を取り扱ったことがある、

または扱っている(Yes/No)
Yes のかた: 回 kg 程度

質問2 ワシントン条約常設委員会での 2018 年と
2019 年の議論について(いずれも知っていた/知ら
なかった 2018/2019 年について知っていた)

質問3 今後、イワシクジラ肉を取り扱う予定があり
ますか?(Yes/No)

(Yes のかた:調査捕鯨で捕獲されたものと EEZ
内のイワシクジラの区別をしますか?できると思い
ますか?)

○ この件に関してご意見があればお書きください。
***********************

こちらの行った在庫確認が僭越だと思われたのかもしれないが、何かを誘導しようという意図ではないのは明らかだ。

「要されている」という言報告では使っていないのは事実だ。しかし、反とされた流通していることをんどの国がったことと認識しており、さらには多くが没収すべということを主張しの用となるが、

  条約事務局は、没収が遡及適用になるか否かは非常に複雑で法的な問題になるとコメントするとともに、

   ナイジェリアから中国への材木の輸出、ペルーから米国へのマホガニーの輸出についてどうであったかと

   いった過去の前例を調べるなど注意深く検討する必要があると発言した。(前述:真田「イワシクジラは何処へ行った」)

結果として長が仲介し、回まで問題が持され、だからこそ報告が必要となったのだ。しかし、今回のことでも日本政府の持する立場が明らかになったわけで、年行われる委員会の行にかかるところだ。

2020年2月 2日 (日)

イワシクジラ/CITESに関する溝

昨年末に急遽作って発送したニュースに、とんでもない間違いがありました。
1月9日に、当の本人である「高屋繁樹」氏からお怒りのメールをいただき、その謝罪を込めたニュースをブログで公表しようと思いました。ただ、さらなる不手際があってはならないと思い、公開前に本人に送って承諾を得ようと考え、ブログの公開を送らせてきました。
ところが、謝罪が不十分だったのか、いまだにお返事をいただけていません。
謝罪は早いほうがいいので、とりあえず、ブログを公開し、何か問題があればさらに訂正しようと思っております。すみませんがよろしく。
以下が、承諾を得るために送った文章です。
「イワシクジラ/CITESに関する溝について」 
 1月9日(木)付で、水産庁捕鯨室長の高屋繁樹氏より、昨年末に作成したIKA-Net NEWS 75号掲載
 の同名記事における間違いについてのご指摘をいただいた。
 大変申し訳ないことに、高屋繁樹氏の肩書及び、名前の表記に間違いがあり、こちらの不手際によって
 ご迷惑をおかけしたことを心からお詫び申し上げたい。また、高屋氏からのメールの引用についても、
 IKANにとって必要な部分しか引用していないと、メールの引用の仕方が間違いだとの指摘を受けた。
 こちらとしては不当な切り取りをする意図は全くなかったのだが、高屋氏の真意が伝わっていないと
 思われたということについて、同じように謝罪したい。
 まずブログでその訂正文を掲載することにし、できるだけ早期に訂正ニュースを送付することにした。
 今後このような間違いを犯さないように早々身を引き締めていきたいと思っている。
 本当にすみませんでした。
以下本文::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


IKA-NET ニュ74 号では、康弘早稲による、8月開されたワシン条委員会におけるイワシクジラ報告掲載させていただいた。それをおみになったはおわかりとうが、昨年(2018)の同委員会では、調査捕鯨によって捕され、日本国に持まれたイワシクジラワシン条の「海からの持み」定に反するものだという判断され、勧告
れた。今回、調査捕鯨を
止したためにイワシクジラの捕はないという日本の返答があったが、会では、んどの国が、反で持まれた鯨の国内流通は同じく反であるとし、没収を要及して判断されないという日本政府との見と対立した。


 ::::::::::::::::::::::
  (引用ニュース74「イワクジラは何処へ行った?」)
  http://ika-net.jp/images/pdf_files/inn074-sanada.pdf

 「ニジェールは、本件が条約にとり極めて重要な問題であると考えていると前置きした上で、前回の常設委で

 非合法とされているものが現在 でも商業市場で売られていると指摘、これは全く受け入れることができず、

 条約第8条に基づき没収すべきであると主張した。EUもニジェールに同調、常設委が日本に対し条約第8条と決

 議17.8に基づきイワシクジラ肉と脂の没収と処分に関する全ての措置を事務局に特定の日時までに報告するよう

 要請すべきである、と発言した。ペルー、イスラエル、オーストラリア、アルゼンチン、米国もニジェールとEU

 の主張を支持、セネガルもイワシクジラ肉の没収を要求した。日本の取った措置が十分であるとして理解を示す

 発言を行ったのはロシア一カ国にとどまった。」

 

と、ロシア以外の国々が没収を要求したことに触れている。そして、

 

 「条約事務局は、没収が遡及適用になるか否かは非常に複雑で法的な問題になるとコメントするとともに、ナ

  ジェリアから中国への材木の輸出、ペルーから米国へのマホガニーの輸出についてどうであったかといった過去

  の前例を調べるなど注意深く検討する必要があると発言した。

  そこで Carolina Caceres 議長(カナダ)は、ここでこの問題に関して限られた時間の中で議論するのはhelpful

  とは思わないとし、常設委としては日本に対して前回の常設委員会前に商業目的で海から持ち込まれて鯨肉の管理

  と取り扱い(treatment)ついて情報を求める決定を行ってはどうか、との妥協案を提示した。

  これに対しEUは、多数の国は「没収」を求めている以上、この文言を含めるべきであると発言、ニジェールもEU

  の主張に同調した。そこで米国は双方が受け入れ可能なさらなる妥協案として、CITES決議17.8「違法に取引・没収

  されたCITES附属書掲載種標 本 の 処 分 (Disposal of illegally traded and confiscated specimens of CITES-listed

  species)」に留意するとの文言を挿入してはどうか、これであれば「没収」のことばが入っている、と提案、これが受

  け入れられることとなった。」

:::::::::::::::::::::::

こうした状況を踏まえ、この1113日、IKANは鯨肉を取り扱っていると思われる鮮魚店やスーパー、デパートなどに、イワシクジラの取り扱い状況についてのアンケートを送付した。それに関して、早速水産庁からメールをいただいた。それによると、アンケートは間違った情報で送付先の店舗を誤誘導するから訂正すべきというものだった。担当者(捕鯨室長 高屋繁樹氏)の「やりとりの改変なく掲載されることを否定はしません」という前提でのお許しを得て、一部引用させていただこう。


<水産庁からのメール>

  1129

  「  委員会の決定はあくまで、(違法に取引され没収された附属書掲載種の標本の処分に関する決議(Conf.17.8)に留意し、)次回常設委員

  会の90日前までに、 持ち込まれたイワシクジラの鯨肉等の取扱い(treatment)を事務局に報告することを日本政府に求めるものです。

  「在庫の実態を把握」 といった記載はありません。

   誤った情報で回答を誘導するのは不適切です。アンケート発出先へ内容に誤りがあったことを伝えてから回収を行うべきであり、 それが出

  来ない場合は、アンケートの中止、もしくはアンケート結果の利用を止めるのが、責任あるNGOとしての姿ではないでしょうか?」

 

それに対しては、常設委員会の方向に関わらず日本政府がイワシクジラ流通を是とする201810月10日お知らせをそのまま掲載していることを指摘し、立場の違いを指摘した。

https://www.jfa.maff.go.jp/j/whale/seiwhale.html

現在、勧告を踏まえて是正措置の内容を検討中ですが、同勧告は、本年度のものも含め、既に国内に存在している
 イワシクジラ製品の流通や消費については触れておらず、日本政府としても、これらを規制するものではございません。)

(続く)

2019年11月30日 (土)

調査捕鯨継続のための法律のリサイクル法、参院で成立

https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/200/200-1129-v009.htm

日本の議員さんたちの常識というのは常々どうなっているのか?と思うことが最近富に多いが、またまた、おかしな法律をリサイクルした法律が通ってしまった。(どうおかしいかは、IKAN-net日記の前のブログをみてください。商業捕鯨を始めたと思ったら、こけそうだから、補助金やら、普及啓発を政府主導で行なって手厚く支援するのが本法律だが、いまの日本に本当に必要なことなのか?その先にももしかしたら、ポンコツ化した船を新造したいから、支援してほしいという要望に応えて、新手の策を絞り出す可能性も考えられる)

ただ、今回は、初めて党として、れいわ新選組が反対票を投じてくれたことは、当たり前のことではあっても本当に嬉しい。こうした動きを加速するためにも、何が起きているか伝えていこうと思うし、また、安直に大本営の言葉を鵜呑みにしないだけのみんなの知性に期待したい。

2019年11月18日 (月)

持続的商業捕鯨実施法案

調査捕鯨継続法をリサイクルした捕鯨のための法案ができ、今国会で成立予定という。

国際的な取り決めも横目で睨んで、捕鯨を「持続的に」行うんだと繰り返し、調査を(捕殺を伴うという文言はやめて)実施して、科学的に捕獲数を決めていく事を書き込んでいるものの、さて、IWC脱退をして本来は本会議で合意し、決定するはずの捕獲枠を生のまま(いくつかの選択肢の中から都合よく選ぶ)取り出して提示し、大丈夫だ、大丈夫だ、と自他に暗示をかけるような案に見える。

実際に、共同船舶の捕獲しているニタリクジラに、新種であるカツオクジラは混獲されないのか、オホーツクで操業するミンククジラ猟に希少なミンククジラ個体群は混獲されないのか。そうした情報はきちんと公開されるのか。前回した質問からは全く不透明なままであった。

前回、質問に立ってくれた山本太郎氏は下野してしまったので、もしかしたら何の質問もないままで通ってしまう可能性が高い。疑問に思う良心的な議員さんはいるのだろうが、政権の無茶振りに関しては既に問題てんこ盛り状態で、なかなかあからさまにするのは難しいのかもしれない。生物多様性基本法なんてものもあるものの、それに配慮する議員さんも本当に少ない。

既に商業捕鯨を実施しているわけで、今更とやかくでもないのかもしれないが、概要のなかで特に気になったことは以下である。




11.鯨類の適正な流通の確保等に関する措置

(第18条)

・違法捕獲された鯨類の国内流通防止

・加工・販売業者の安心確保

12.鯨類の持続的な利用の確保のために必要
な財政上の措置等
(第 19 条)

 

11に関しては、メディア報道などで学校給食への導入の強化が明らかになっている。なんと言っても、今「クジラが食べたい」世代の多くがかつて50年代前後に学校給食で食べた事を懐かしんでいる人たちだから、学校給食というのは短期的な消費の拡大だけでなく、長期的にも(もしかしたら)利用を引き延ばせる可能性があると関係者は踏んでいるのだ。

もう一つは、いうまでもない。2000年以降、需要減少で鯨肉があまり、実施してきた日本鯨類研究所があわや!赤字倒産という瀬戸際まで行って、東日本大地震の復興予算によって生き延びたという過去があり、その後も多額の財政支援なくしては続かない産業であったことから、

  補助金の担保は産業維持の要となるのだろう。

しかし、そこまで手厚く、国家事業として捕鯨継続をしなければならないものか、この期に疑問に思う人が少しでも増える事を願っている。

 

 

2019年11月12日 (火)

「持続的商業捕鯨の確保法」

2017年、共謀罪成立のどさくさに紛れて、調査捕鯨を安定的に継続するための法律が超党派で出来上がった。真っ当な反対意見が出たものの、議員たちは全く無視状態で、反対は情けないことにたった二人。欠席も二人。

しかし、昨年、日本政府と捕鯨関係者はIWC脱退を決め、7月には商業捕鯨が開始されたので、この法律は宙ぶらりんなった。

(そのまま廃案になればいい)と思っていたが、そうは問屋が下さない。捕鯨推進議員たちは、中身を商業捕鯨を継続するため都合良いように書き換えて(公開されていないので詳細はまだわからないが)リサイクルしようとしており、これまでの捕鯨に関する議員たちのあり様を見る限り、今国会中にスピード成立する模様である。

これまで捕鯨をよいしょし続けてきたメディアでさえ、大丈夫続くのだろうか?という及び腰になっているので、捕鯨関係者は必死の売り込みとメディアを使っての礼賛に奔走している中で、議員としては応援団の役割を果たすべく、捕鯨業者が取りたい頭数に寄り添う捕鯨枠と、必要に応じた補助金という、美味しいお話てんこ盛りの法案をなんとか通したいのだろう。
しかし、海外がそれぞれのお家の事情でそれほど問題視しているように見えない中で、国際法違反の可能性大の国際合意なしの捕鯨の継続、IWCの管理方式の自己流の捕獲枠での捕鯨を倫理に照らして認めてしまっていいものか、まず日本が自らに問うべきだろう。

 

https://this.kiji.is/566865859729982561?c=39550187727945729&fbclid=IwAR023PSRlF7xobWE3ACWtjVvF8OM6nz0kAmOwWS4rSTUAP433Hdcxp-Gf7A

 

 

2019年10月 3日 (木)

毎日新聞2日版「 なるほドリ エコ」にため息

 新聞もこっそり値上げするということだが、それなら、記事の内容をもっときちんとして欲しいと思う今日この頃。

今朝も毎日新聞「月刊なるほドリ」では、先週のこども新聞に掲載した「クジラと日本人」を中身変わらず、構成を変えて掲載。こんなのでお金取らないでほしい。

昨日の「なるほドリ」、エコというのが付いていたので、環境等を主に扱うのだろうと推測。しかし「水族館の新団体 役割は」

と言うタイトルのため息が出るような企画だった。(だいたい、いつでも批判なしの水族館礼賛に変わりはないので今更なのだが)

「持続可能な水族館の在り方を考える任意団体『日本鯨類研究協議会(JACRE)』が3年前に発足し、この夏、法人組織移行を決めました。水辺の生き物たちと私たちをつないでくれる新しい水族館の形を模索しています。」と言う前書きが付いている。

副題に「JACREってどんな団体なの

    水生生物の情報交換が目的」

とある。Q&A形式で、どんな団体なのか、

  A 海に囲まれた日本は世界でも水族館が多く「水族館大国」と呼ばれていますが、水族館に特化した組織はありませんでした。

   環境問題に注目が集まる中、水族館の在り方を考え、発信力を高められればと法人組織を目指すことを決めました。

安易に入手できるイルカをショーに使って集客する水族館のあり方は、まともな動物園からも以前から顰蹙を買っていたと思うが、「環境問題に注目が集まる」状況で水族館に特化した組織が一体何を目指すか、紙面からは全く見えてこない。

記者の考えでは「人工繁殖」が答えのようだが、すでにクジラ類の持つ社会性などから、飼育はもちろん、繁殖も禁止している国さえあるくらいでその傾向はますます増えていくはずだ。

最近も、ロシアでいわゆる「監獄」と言われて批判をうけたシャチとベルーガの蓄養施設に関して、ロシア当局はNGOや専門家と協議の上、捕獲海域に全てリリース。シャチに関しては、すでに野生の群れに合流したと伝えられる。もちろん、この後、ロシア当局は、娯楽目的の野生鯨類の捕獲を禁止した。

日本のメディアはこうした問題を語ろうとはしない。だいたい、野生の群れから切り離して捕獲し、自然に逆らって同じ海域かどうかもわからない(別の国の可能性が強い)個体と繁殖させることで子どもたちにどのようなイルカ類に関する知識やそれに関連しての海に関する知識が与えられる?せいぜい考えられるのは、「一番偉い人間はこの地球で何をしてもいいのだから、好奇心があればどんな勝手をしても許されるんだよ!」という歪んだ知識ぐらいのものではないのか?

野生のイルカがどこに分布し、どのような生活をし、どのような仲間との社会性を作るのか、飛んだり跳ねたりしたらわかるわけでなし。

イルカとイルカ飼育のことを知るには、これまで撮影された、イルカ捕獲時の様子でもビデオで流したらいくらか問題の把握ができるかもしれないのだが、そんなことはやらないでしょ?

だいたい、海に囲まれた日本が「水族館大国」と言われていること自体が恥ずかしくないのか?

海に囲まれた国だからこそ、その分、海洋環境や海洋生物に関する教育がしっかりしていることが重要だが、鯨類だけでなく、海の生き物すべてにわたって安易な入手が可能であることから、水族館が乱立しているだけで、飼育の不手際や設備などの不備で、いっぺんに何百という生物を殺してしまったというようなニュースも少なくない。

だいたいが、自分たちが食べ続けたい魚がどんどんいなくなっても、食べ続けることを一義的に選択しているような国民に対し、水族館がいったいどんな教育を与えているのだろう?魚消費に関するガイドブックを作って、減少している魚を把握できるようにしているどこかの水族館を見習ったらいい。

 

日本動物園水族館協会(JAZA)の説明があり、なんでJACREを作ったという言い訳も。

   「JAZAが2015年に加盟する施設に対し、追い込み漁による野生イルカの入手を禁止しました。それに伴って、

     イルカに関する情報交換も低調になってしまいました。」と続く。

なんで「追い込み漁による野生イルカの入手を禁止すると情報交換が低調」になるのか、全く何の説明もなく、理屈になっていないい。「学術研究」だったはずのシャチだって2007年の成果発表で情報共有なんかしていないことが明らかになったのに、ほぼ’使い捨て’のイルカで情報交換をしっかりやってきたなんて!?とびっくりである。

追い込み漁に関しては

    「イルカが嫌がる音を使って湾内に追い込み、網で捉える漁法です。鯨食文化のある日本に古くなら伝わる漁法ですが、海外からは

     度々残虐だと批判されてきました。」

追い込みは、確かに古くから行われてきた捕獲方法だ。しかし、今問題になっているのは水族館用の捕獲なのであって、百歩譲って「イルカ漁は伝統」だとしても、イルカ肉需要がなくなっている中で、産業従事者が金を稼ぐために行っているのが生け捕りだということは素人でも分かりそうなものだ。生きたイルカは日本の水族館だけではなく、海外にも高額で売り飛ばされている。それをごちゃにして正当化するような論法を少なくともメディアがやるべきではない。

JACREが本気で環境問題を考えて、水族館の在り方を考えてくれるならそれはそれで結構だが、そこにはいつ到達するのだろうか?イルカ追い込み漁が「海外から残虐だと批判されて」いるのは、事実だからだ。考えてみてほしい。ゴリラやゾウを群れごと捕獲し、一部を殺し、コドモを売り飛ばす商売が、今でも合法的に行われているかどうか。

イルカたちは、生け捕りに際して狭い仕切り網の中でもがき、互いにぶつかり合い、網に絡まって窒息し、命を落す者もいる。海は血で染まる。

大方はメスとコドモの群れだが、その中で、コドモや若いメスが水族館用に捕獲されている。かつては生け捕りされたコドモの傍で母親が殺されるということもあったのだ。

記者も一度その光景を自分の目で確かめてほしい。その事実が、WAZAを動かし、改善要求となった。それに答えられない状態の中で、JAZAはWAZAに残るか脱退するかの選択を迫られ、当たり前の選択をしたのだ。そして、それを是としない、追い込みによる利益にしがみつくところが新たな組織を作ったというふうに私は理解している。

もし本気で「水辺の生き物たちと私たちをつないでくれる水族館」を目指すなら、海洋環境が今日抱える様々な問題、気候変動や酸性化、プラスチックなど人由来のゴミ、有機化学物質などの汚染、開発や騒音、罹網、乱獲による魚、餌生物の減少などによる生息環境の悪化をどのように市民に訴えて、直接的な行動に結びつけていくかがまず課題であるはずだ。すでにこうした取り組みは行われてきたし、新しい組織を作るようなエネルギーと資金があったら、そちらにシフトしたほうが将来的にも良いのではないだろうか?

そして、最後に。「漁以外のイルカの入手方法」の答えは違反の教唆みたいに読める。

 「魚を取る際に混じったり、浅瀬に迷い込んだりしたイルカなどを『学術研究用』として漁業関係者から譲りうける方法」

と言う言い方は実は「混獲や座礁したイルカを’学術研究用’として譲り受け、ショーなどでバンバン使ってますよ」ということだ。カマイルカという追い込みでなかなか捕獲しにくいイルカがいるが、たまたま定置網などに入ったのを「原則逃がす」という水産庁のマニュアルをかいくぐって利用している状態があまりにひどかったので、2007年に水産庁が反対の声を押し切って捕獲枠をつけ、混獲ではないイルカの飼育をねらったのだが(やはりあまり上手く捕まえられない状態)。だから、この答えは下手をするとマニュアル違反をそそのかしていることにもつながりそうだ。

記者は、どこからこんなテーマをもらって書いてしまったのか。書くことでお金をもらっている以上、きちんと取材することは最低限、欠かせないと思うのだが、どうなのだろう。

2019年9月30日 (月)

そうだ!ウッォッチング

いよいよ、明日は10月1日だ。

消費税増税。もちろん反対だが、もう一つ、10月1日は富戸でのイルカ猟解禁日なのだ。2004年以来、初めてのイルカ猟が果たして実施されるか、周りがざわざわし出してきた。

実は、ジオパークに名乗りをあげる前は、毎年8月末(この時は9月解禁だった)に水産庁とともに記者会見を行い、イルカ猟開始宣言をしてきたいとう漁協も、ジオパークの本部から「イルカ猟はどうよ?」という質問を伊豆ジオパーク本部が受けてから、なりを鎮めてきていた。それが決まってしまったらいいのだろうか?

一体何を目的としてやったのか、宣言すれば何か変わるかわからないのだが、久々に開始宣言を行うものだから、あれをまた、本当にやるつもりなのか?と不安でいっぱいになるのは確かだ。

だが、捕獲の条件は太地と比べて極めてよろしくない。漁港内の定置網設置。ベテラン漁師たちの引退。イルカ探査船も出せないで、漁に出ている漁船がイルカを見かけたら知らせを受けていざ出動、という話も聞いた。

しかし、太地と比べると捕獲できる種は3種類、カマイルカ26頭、バンドウイルカ24頭とオキゴンドウ7頭で、カマイルカは太地でも’ちゃんちゃん’と呼ばれる鉄パイプの音が聞こえるなり、四方八方に逃げ出し、捕獲に手こずるような捕獲の難しい種だし、バンドウイルカは太地でも回遊が少なくなっており、伊豆方面は春先に1度か2度、南下する様子が見える程度らしい。オキゴンドウはよくバンドウイルカと一緒に泳いでいる姿が見られ、1996年も運悪く一緒に捕獲された種だが、2007年に、沖合にも別の系統がいたとかなんとかで増枠され、富戸にも枠が付いた。しかし、太地においてもずっと捕獲ができていない種でもある。

さらに、富戸はいとう漁協の支所になったので、漁業収入はいとう漁協に吸収される。確か、2004年の時も、イルカ漁師に入ったのは、船の経費と日当1万円のみだったと聞いている。イルカの生け捕りで儲けられるぞ!というわけでもないようなのだ。

ベテランの人たちは「追い込みは無理だ」と言っているようだが、それでも私たちの不安は消えない。

そこで思いついたのがウォッチングだ。

太地と異なるもう一つの点は、富戸にはドルフィンウォッチング船があるということだ。これは大した強みではないだろうか?

もし、頻繁に訪れるウォッチング客に恵まれれば、地域住民も、支所の漁業者もどっちが得だか計算するはずだ。

人数がある程度集まれば、船も複数参加でき、お客に喜ばれれば、乗せる方だってまんざらでもないはずだ。

だから、もし、イルカをこれ以上苦しめたくなければ、せっせとウォッチングに参加する人を集め、捕るのではなく、見る船を増やそう。

そうであれば、地元が応援してくれるはずだと思いませんか?ウォッチングをして、イルカ猟 を永久にやめませんか?Iruka20041111-3 (2004年イルカ捕獲)           Photo_20190930142101(カマイルカ)

 

富戸でのウォッチングは:https://www.honda.co.jp/dog/travel/data/kohkaimaru/

 

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